2015年4月13日月曜日

望月しげる写真集『フロンティアの遺産』

望月しげる写真集『フロンティアの遺産』
‘The Frontier’ - photo book by Mochizuki Shigeru

今回の望月しげる写真展では、ポートレートを中心に27点の作品が展示されている。その中で異彩を放っているのは、10点のアメリカのカウボーイたちの写真である。これらはすべて望月しげる写真集『フロンティアの遺産』に収められている。この写真集はいまから15年以上も前に出版されたが、写真の構成やページレイアウトはいま見ても斬新であり、中身の濃い労作である。そこで作者に写真集制作の経緯について聞いた。




1989年に静岡市がロデオ競技会を開催したとき、姉妹都市ネブラスカ州オマハよりカウボーイたちのロデオチームを招いた。そのイベントに望月さんも協力し、カウボーイたちの一人、トッド・アダムソンさんと親しくなった。そのことが契機となり、望月さんは1991年はじめて渡米し、ネブラスカ州のバレンタインという小さな町で牧場経営をするトッドさんの家にホームスティした。

2週間の滞在中、地元のカウボーイたちと行動を共にし、多くの貴重な体験をすることができた。たとえば、子牛に烙印をする「ブランディング」(branding)、「投げ縄」(roping)、そして牛の群れを集めて檻の中に一気に追い込む「ラウンドアップ」(roundup)などである。




滞在を振り返って、望月さんは次のように書き記している。「今回の旅は私にとって生涯忘れることのできない最高の旅でした。心やさしい素朴な中西部の人々、今もなおあの古き好き時代の生き方を全うしている気さくで誇り高きカウボーイたち、そして大平原を疾駆する馬や牛の群れが今でも私の胸に焼き付いている。」

その後、数度の渡米を経て、望月さんは『フロンティアの遺産』を1998年に自費出版した。大地に根を張って馬や牛とともに暮らすカウボーイたちの生命力がどのページにも漲っている。望月さんに聞くとこの写真集の残部はもう少ないそうだ。ぜひ手にとって見たいという方は、artspace Edition Shimizuまで連絡をしてください。


Mochizuki Shigeru talks about his photo book 'The Frontier,' which shows us the lives of the cowboys in Nebraska, U.S.A.



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