2014年12月30日火曜日

ふたつの展覧会

しばらく前のことになるが、今月20日、仕事がひと段落したので東京へ出かけた。そして、「赤瀬川原平の芸術原論展」(千葉市美術館)と「森山大道写真展--遠野2014」(キャノンギャラリーS・品川)のふたつの展覧会を見た。

千葉市美術館で開催中だった「赤瀬川原平の芸術原論展」の会場に入ると、この作家がほんの数日前に亡くなったという掲示があった。この回顧展を見ることができなかった作家の無念さを思った。

分厚いカタログに書いてあるとおり、赤瀬川さんは60年代のハイレッドセンターで活躍した前衛美術家であるばかりか、漫画家、小説家、ライカ同盟や「路上観察」の実践など、多岐にわたってその才能を開花させたアーティストだった。




数十年前、美学校の生徒だったので、作品を見ながらある種の懐かしさを覚えた。そして、「美学校」というロゴのデザインは、彼の創作だったと初めて知った。

今回の作品の中でもっとも印象的だったのは、「最後まで使い切ったチビ鉛筆のビン詰」(尾辻克彦の誕生)と題するものだった。これは、この作家がほんの数センチほどの長さまで使い切った沢山の鉛筆を、透明なガラス瓶に詰めたものだった。創作に向かう、この作家の姿勢を端的に表しているものだと感心した。

入り口に「父の肖像」(1952)という油彩画が展示してあった。そして、時代別に分けて展示された膨大な作品の最後には、「引伸機(未完成)」という別の油彩画があった。若いときにどんなに前衛的な活動をしても、最後には絵画作品に回帰していったのだとわかり、それが不思議でならなかった。

品川駅を降りて10分ほど歩くと、キャノンSタワーというビルがあり、その中にキャンノンギャラリーSという画廊がある。これまで数回来ただけだが、いつも見ごたえのある展覧会を開いている。しかも入場無料。今回は写真家森山大道の「遠野2014」を見た。




40年ほど前、遠野を題材に東京で初個展を開き、それ以来遠野をテーマにした2度目の展覧会ということになるそうだ。会場内にはキャノンのコンパクトデジカメPowerShot G7Xで撮ったモノクロ写真(16:9)が大きなサイズにプリントされ、約50点ほど展示してああった。驚いたのは、大版プリントになってもクオリティを失わない、大型撮像素子を備えたG7Xの性能だった。

遠野の写真を見ていると、自分のお気に入りの写真集『ブエノスアイレス』を思い出した。この写真家は、どんな国、どんな土地、あるはどんな都市を撮影しても、「ダイドー・スタイル」を貫いている。


I saw two exhibitions in Chiba and Tokyo on Dec. 20. One was 'THE PRINCIPLES OF ART' by Akasegawa Genpei (Chiba City Museum of Art) and the other was 'TONO 2014' by Moriyama Daido (Canon Gallery S, Shinagawa, Tokyo).




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